【建設アスベスト給付金】石綿ばく露作業従事期間による減額を回避できた事例(その2)

1 Aさんについて

 Aさんは、長年にわたり、内装工として建物の改修作業等に従事する中で、アスベストにばく露し、それにより肺がんを発症した労働者です。

 肺がんによる労災認定を受けていましたが、石綿ばく露作業従事期間として認定されたのは、就業歴のごく一部にとどまりました。Aさんは、雇用されていた会社を退職した後、自身を代表とする「一人親方」として、従前と同様の作業に従事していたものの、「一人親方」の期間について就業歴や就業の実態に関する客観的な証明ができなかったためです。

 このような状況で、給付金請求のご依頼をいただきました。

2 給付金請求について

 アスベスト被害に遭われた方への救済として、建設アスベスト給付金制度があります。

 給付金を受けるためには、制度が定める要件を満たす必要がありますが、要件を満たす場合でも、就労期間が十分ではない場合や、喫煙歴がある方の場合は、給付金が減額されます。

 Aさんについては、給付金請求のための事前の調査として、労災支給決定等情報提供サービスを利用しました。しかし、提供された情報には、Aさんの労災時に認定された就業歴と同じ内容が記載されており、このままの状態では、給付金の減額を受けることが判明しました。

 そこで、弁護団において関係記録を精査するとともに更なる調査を行い、Aさんの実際の就業状況からすると長年アスベストにばく露していたことは明らかである旨の主張・立証を行ったところ、十分な就労期間が認定され、減額されずに給付金の支給を受けることができました。

 建設アスベスト給付金の請求についても、当弁護団にご相談ください。

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