2020年3月24日の提訴からおよそ4年半。2024年9月20日、被災者単位21名のアスベスト被害者の、建材メーカーに対する請求について、ついに判決の日を迎えました。
多くの原告、支援者の方と法廷で判決を聞きました。一部勝ったのはわかりましたが、何名について認めたものなのかは、判決言渡後、判決要旨を受け取るまで私たち弁護団もわかりませんでした。
5階の書記官室で、要旨を受け取ります。緊張が走ります。
表の原告名と認容額の欄をみていくと、全員の名前の横に、認められた数字が記載されているように見えました。よく見てみても、見間違えてない…「全員、全員勝訴だ!!」。被害者の皆さん、遺族の声は、地裁の裁判官に届きました。
これまで、北海道では1陣、2陣訴訟をたたかってきていますが、それぞれの企業に対する判決で、原告全員が1社以上から勝訴している全員勝訴の事案は、ありませんでした。色々理由はあり、その中でも、労災記録を偏重しすぎて実態をみてもらっていない部分があったことも大きいのですが、今回はそれらの判決と比較すると、裁判所が実態をさまざまな証拠から判断してくれたと思っています。その意味では、画期的な判決です。
もっとも、個別には原告の請求が認められなかった企業もあり、また、損害額にも不十分な点がありましたので、既に原告全員は、札幌高等裁判所宛に控訴状を提出しています。また、敗訴した企業もすべて控訴を行っており、舞台は第二審、札幌高等裁判所に移ります。
今度も、より、被害者、遺族の声が届くよう、訴訟を続けていきます。
原告の皆様、支援者の皆様からは、既にたくさんの力をいただいていますが、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
(3陣訴訟統括 弁護士 高木淳平)
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